「現状維持OTを脱す!」ってどんなサイトなの? | 現状維持OTを脱す!

「現状維持OTを脱す!」ってどんなサイトなの?

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「現状維持OTを脱す!」ってどんなサイトなの?

このサイトは、作業療法士の OTだみん が「脱・現状維持OT」を目指して、経験・学習してきたことを書き綴るブログです。
記事を通じて、同じ職種の方や、作業療法士をはじめとするリハビリ職を目指す学生さん、私の専門である認知症について知りたい方のお役に立てればと思っています。

だみんの考える、「現状維持OT」について

※OT(Occupational Therapist)の略、作業療法士のこと

作業療法士の現状

現代日本の作業療法士が求められる仕事は以下のようなものです。

  • 上肢機能の改善
  • ADLの改善
  • 精神機能の改善

上記を作業療法士の仕事として割り振られることに、日本で作業療法士として働いたことのある方は違和感を持たないと思います。
しかし、私はこの現状について問題意識を抱いています。

作業療法士の本来の仕事とは?

作業療法士の成り立ちを知るために歴史をさかのぼると、哲学にたどり着きます。
一人の人間がよりよく生きるための手助けを、一人の人間のすべてに寄り添いながら実践するのが作業療法士の役割です。
作業療法士の「作業」とは、クライアントの幸福と健康をかなえるための手段として「作業」を用いますよ、という意味です。
本来的な作業療法士の役割を現場で実践するのであれば、

  • narrativeアプローチ
  • OBP/OFP
  • 作業機能障害

クライアントの「作業」の実現度にフォーカスし、かつクライアントによって千差万別の人生観や価値観をすくいあげる上記のような実践が行われることが、本当の意味で作業療法を行うことにつながると思います。

ただ、現代日本の作業療法では、

  • 「機能改善」にしかアプローチしない
  • すべて「医学ベース」(よりはっきりいうと、PTの真似事)

のように、本来の作業療法とはかけ離れた実践となってしまっているのが実情です。
これについてはかなり話が長くなりますので、詳しく説明した記事を見ていただければと思います。

「現状維持OT」が絶滅する日

このような現状で、私は現状維持OTを以下のように定義しています。

  • 上司から指示されたことをやるだけで、理由を考えない
  • 自分から学習しない
  • 自分がやっていることに対して疑問をもたない(作業療法士なのに、PTのようなことをメインでやっているのはなぜ?、など)
  • 学会などで最新の知見をインストールしない


私は、このような現状維持OTが当たり前になってしまっていることに危機意識があります。
その理由は、

  • 作業療法士が「作業」と向き合わず、理学療法士の職域の真似事をしていることによって、作業療法士の存在価値が失われているから
  • 作業療法士自身が自分の仕事を理解していないために、周囲も作業療法士の仕事が何かを理解できず、結果、理学療法士が優先されがちだから

私は、このままであれば真っ先に作業療法士という職業が無くなるのではないかとまで危惧しています。
作業療法士として「作業」を主眼にした介入を行えず、理学療法士の下位互換に甘んじている作業療法士ならば、最終的に理学療法士で置き換えても不都合はありませんから。

事実、理学療法士はいても作業療法士がいない病院、身体機能を見てほしいからと作業療法士を敬遠し理学療法士をすすんで採用するデイサービスなどが存在しています。また、地域の介護予防事業には、職域的に作業療法士が適任なのにもかかわらず、ほとんど作業療法士が介入できていません。
すべて、作業療法士自身でさえも、自分の仕事を理解できておらず、アピールもできていない結果であると思います。

現状維持OTの絶滅の日はそう遠くはないかもしれません。

「現状維持OT」から脱け出そう

ここまで暗い現状についてお話してきましたが、私はけして絶望しているわけではなく、同時に業界に対する希望も持っています。
各々が本来の職域を思い出して立ち返れば、作業療法士は将来AIに置き換えることのできない職業となるのです。

作業療法士のみなさん、そして未来の作業療法士を目指すみなさんにとって、本サイトの記事が「現状維持OT」を脱する手助けになりましたら幸いです。

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