ADLの超・基本!2つのADLと評価法をマスターしよう
こんにちは!OTだみんです。
作業療法士である以上、学生時代も入職後も、聞かないことはないADLという単語がありますね!
作業療法士だろうが、理学療法士だろうが、看護師だろうが、医療職の人たちはADLを知らないといけません。
しかしこのADLという単語、あまりに当たり前に使われすぎて、きちんと定義を確認せず使ってしまうことがままありますよね。
きちんとした意味や範囲でADLという単語を使えるように、改めてADLの意味・定義について見ていきましょう!
ADLの定義とは?
ADLはなんの略?
まず最初にADLとはなにかといいますと、
ADL = Activities of Daily Living (日常生活活動)
Activities of Daily Living
のことをさし、日本語では
日常生活活動
と呼びます。
皆さん御存知の通り、移動・排泄・食事・更衣・洗面・入浴などの、人間が日常を送るためにおこなう活動のことですね!
ADLという語句を使うときの注意点
ADLは2種類に分けられる!
ADLの概念は、さらに2つに大別されます。
- BADL = Basic Activity of Daily Living (基本的日常生活動作)
基本的に自分の身の回りのこと - IADL = Instrumental Activities of Daily Living (手段的日常生活動作)
外出を伴うことや清掃など
ちなみに注意点なのですが、

よく臨床では、単に”ADL”と呼ばれた時は、BADLのことを指していたりします。
聞いていてどちらか判断つかなかった場合は、「どっちですか?」と確認することが大切です!
では2つのADLの、それぞれの中身を見ていきましょう!
BADL (基本的日常生活動作)
より詳しく知るために、順を追って具体的に評価をしてみましょう!
BADLによく使われる評価としてBIとFIMがあります。
- BI = Barthel Index (バーサルインデックス)
- FIM = Functional Independence Measure (機能的自立度評価法)

経験上、病院ではFIM、デイサービスやデイケアではBIを取ることが多いです。
BIとFIMの根本的な違い
まずはBIとFIMの根本的な違いについてです。
BIは、「できるADL」を出しています。
つまり、ADL能力のことを聞いています。
この評価においては、実際に”しているか”どうかなんてどうでもいいです。
評価方法も簡単で、短時間でつけやすいです。
ADLがそこまで変化していない、つまり維持できていると加算がもらえたりします。
その時の評価をここでつけることもあります。
一方、FIMは、「しているADL」です。
つまり、能力があろうとしていなければ点数が低くなります。
こちらのメリットは、FIM利得という、病院算定の項目に数値があり、そこをクリアするとよりよく算定が取れる、というものです。
いわゆる「回復期リハビリテーション入院料Ⅰ」などです。
FIMは、評価するのに時間がかかったり、迷ったりします。
BIと異なり、FIMは判断するのが難しい微妙なラインがあり、BIの3倍は時間がかかります。
また、FIMの方が項目も多いです。
詳しくは、以下のページがおすすめです!
▼(参考)日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要(厚生労働省の資料に飛びます)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184198.pdf
では、それぞれの特徴やメリットがわかったところで、実際の項目をみていきましょう。
BIとFIMの実際の評価項目を見てみよう
BIとFIMの評価項目をまとめたドキュメント(エクセルファイル)が参照できます。
ご自由にDLして使ってください。
★BI★

★FIM★

項目の違いとしては、認知コミュニケーションがFIMにはあること、です。
そして、この評価は観察上だけでなく、実際にこちらが指示して動作させることが必要になってきます。
ですので、やや面倒です。

病院では、算定のせいでおそらくFIMを使っていると思うので、ファイトです!(笑)
FIMの評価方法はそのため、勉強会が開かれているほどです。
各地で開かれているので、ぜひ参加してみてください。
ちなみに、以下の外部サイトにも参考になる記事があったのでご参照ください。
▼簡易的な記載

▼より詳しく見る
IADL (手段的日常生活動作)
次に、IADLです。
この評価には、老研式活動能力指標があります。いわゆる老研式ですね。
これは非常に簡単です。
詳しい評価項目を知りたい方は、参考サイトとして以下を挙げておきますね!
▼老研式活動能力指標(公益財団法人長寿科学振興財団の資料に飛びます)
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/pdf/rokenkatsudonouryokusihyo.pdf
本人または家族に質問をして、はい、もしくはいいえと答えてもらいます。
項目の内容は以下の観点です。
- 家事(料理/掃除/整理整頓/洗濯)
- 買い物
- 各種手続き(銀行や郵便/年金)
- 服薬管理
- 電話の利用
- 交通機関の利用(バス/電車/タクシー)
もちろん、これら全部をできるようにしてあげよう!というのは、医療者のエゴですし、時間的にも無理です。
ですので、これらのどの項目を達成させるのか、本人や家族と相談する必要がありますね。
まとめ
今回は、ADLという多くの医療者に耳馴染みのある概念の基本を、改めて確認しました!
基本的な概念ほど、「知ってて当たり前」という意識が生まれるため、曖昧な使い方をしていても気づきずらいですよね。
職種間での連携の多い医療職ですから、正しい認識で医療の共通言語を使っていきたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
以上、OTだみんでした!
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