【学生・新人さん必見】認知症の評価・検査を徹底攻略! | 現状維持OTを脱す!

【学生・新人さん必見】認知症の評価・検査を徹底攻略!

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【学生・新人さん必見】認知症の評価・検査を徹底攻略!

こんにちは!OTだみんです。

私は今デイサービスに勤めています!

当然、利用者の中には認知症の方もいるのですが、同僚を見ていると認知症のクライアントには”どうしたらいいんだろう…”と身構えている人も多い様子です。

そのように戸惑ってしまう理由は、認知症の評価の方法がわからない・そもそも評価を実施しないといった現状にあるのではないでしょうか。

ということで、認知症の方に対する評価のポイントを解説していきたいと思います。

認知症の評価方法を学んで実践すれば、認知症のクライアントでも身構える必要が無くなりますよ!

認知症の一般的な評価方法

ちょっとおさらい~認知機能とは

まず、認知症の評価を解説する前提として、認知機能についておさらいしましょう。

そもそも、認知症が認知症と呼ばれるのは、「認知機能」に問題があるからです。

人間の思考は、刺激を「感じ」「脳に送り」「脳で思考にする」という過程を通っていきます。

  • 「感じ」→「感覚(五感 触覚など)」
  • 「脳に送り」→「知覚(脳までつながっている神経 視神経など)」
  • 「脳で思考する」→「認知(前頭葉で考えること メタ認知)」

認知症 ≒ 認知機能低下というのは、脳で刺激を認識して思考することが難しくなった、ということです。

認知症を評価する観点とは

ある人が認知症かどうか評価する観点には以下のようなものがあります。

  • 記名力障害(覚えるのが苦手)
  • 見当識障害(ここはどこ?貴方は誰?季節はいつ?朝?昼?夜?)
  • 語の流暢性(考えたことを言葉にできる?)
  • 空間処理能力(目からの刺激を処理できてる?見ているものが歪んでいる?)
  • 失認(そもそも認識してない?左半分を無視する、ハサミをみても使い方がわからない)
  • 失調(運動を制御できない。手が震える、)

さらに記名力障害は、認知症の方は出現しやすいので、細分化されています。

  • ワーキングメモリの障害(そもそも1回で多くの情報を処理できない)
  • 短期記憶障害(覚えたものを保持できない いわゆる物忘れ)
  • 言語認知?文字認知?(声から記憶するのが苦手なのか、はたまた文字から記憶するのが苦手なのか)

ということで、上記を評価、つまり検査しないといけないのですが、どこに問題があるか、軽く検査して見つけ出してから、問題があるものを深く検査した方が効率的だと思いませんか?

そこであるのが、認知機能スクリーニング検査です。

これは間違って欲しくないのですが、あくまでスクリーニング検査です。

この検査で引っ掛かったから「認知症だ!!!!」とはまだ言えないのです

確定診断は医師にしかできませんし、確定診断にはMRIやCTといった脳の画像をみないといけません。(正確にいうと、血液検査や脳脊髄液の検査などもあるのですが、、、置いておきましょう)

ですので、あくまで予備検査だということを認識してくださいね。

では、代表的な認知機能スクリーニング検査について見ていきましょう!

HDS-R:改訂版長谷川式認知機能検査

日本で最も有名なのはこれです!

どうして有名かというと、

  1. 日本人医師が作成したから
  2. 紙とペンが必要ない(物を書かせなくていい)から

という2点が理由として挙げられます。

HDS-R:改訂版長谷川式認知機能検査(長谷川式スクリーニング検査)で評価することが可能なのは以下の項目です。

  • 見当識障害
  • ワーキングメモリ
  • 短期記憶
  • 言語認知
  • 失認
  • 語の流暢性

作業療法士にとっては言わずとしれた有名な検査ですが、欠点も存在します。

この検査の欠点としては、

  • 日本では知名度があるが、海外では無い
  • 長谷川式用の道具がいる

ことが挙げられます。

しかし2つ目に関しては道具がない場合は代替できますので、日本ではかなり人気な検査になっております。

MMSE:ミニメンタルステイトエグザミネーション(簡易版精神機能評価)

これは外国で開発された検査でして、世界的にはスタンダードですので作業療法士は知っておきたい検査です。

しかし日本国内での知名度の差から、看護師や介護士は前述のHDS-Rは知っているけど、MMSEは知らないといったギャップがありますね。

国際的スタンダードであるMMSEを使うにあたって、国内スタンダードであるHDS-Rとの差が知りたいところだと思います。

違いとしては、

  • HDS-R:語の流暢性 ⇒ MMSE:視覚の空間能力(時計などを認識できているか)
  • 自発性(人に指示されず、自分で思考できるか)の項目がある

上記の通り変わるところです。

MMSEの欠点は、紙を使うこと(クライアント自身で書かないといけない項目があること)です。

クライアントの利き手が麻痺していたり、視力の低下があればその影響を受けます

OTだみん
OTだみん

基本的には、認知症の検査としてHDS-R:改訂版長谷川式認知機能検査MMSE:ミニメンタルステイトエグザミネーション(簡易版精神機能評価)の2つを知っていれば大丈夫です!

ほかに使われる検査

HDS-R:改訂版長谷川式認知機能検査MMSE:ミニメンタルステイトエグザミネーション(簡易版精神機能評価)以外に、一般的に使われる検査としては以下のようなものが挙げられます。

  • FAB(Frontal assessment battery)
  • NMscale n式老年者用精神状態尺度
  • CDR
  • GDS

しかしながら、上で紹介した2つを実施していない状況でいきなり取られることはあまりありません。

OTだみん
OTだみん

私はよくNMscaleを使っています。

観察評価なので、本人に負担を強いることがないからです。

認知症の作業療法士としての評価方法

作業療法を実施していくのであれば、先の評価に加え、「作業」にどのように影響を与えているかを評価しないといけません。

具体的には以下のような観点です!

  • 観察(作業面接)
  • 生活リズム(≒作業不均衡)
  • 興味関心(≒作業疎外)

観察(作業面接)

観察で行うのは、思考の単純化

ある行動をすれば、こう理解し、この感情が生まれ、こう思考するからこういう行動をとるだろう

という形で行うことがセオリーです。

このとき、思考や行動にはその人の生活背景や習慣、役割が強く反映されます。

ですから、思考や行動の観察を通じてクライアントの生活背景や習慣、役割を捉えておくことは、クライアントを的確に理解し、スムーズに介入する上で非常に重要です。

具体的に観察すべき観点は以下のようなものです。

  • 目線
  • 表情
  • 感情表出のタイミング
  • ジェスチャー
  • よく使う言葉

これらを観察しながら、思考や行動の理由、またその背景にある生活背景、習慣、役割を推測していきます。

現場OT
現場OT

  この人は〇〇という考え方が根底にあるから、こうしたのかな?

  この人の今までの役割は〇〇だったから、こうしたいのかな?

  わからないことをごまかしている=アルツハイマーかな?

現場OT
現場OT

  あるものをじっと見ている=やってみたいのかな?前から趣味なのかな?

  席を隣の人のために開けることができるんだ!

  資料を読んだ印象よりも、ADLができるんだ!

こうして観察で得た情報を、「作業」を使った介入に生かしていきましょう!

生活リズム(≒作業不均衡)

生活リズム、と書いていますが、これは作業機能障害という分類の、作業不均衡にあたります。

初耳の方も多いと思いますので、作業不均衡にいたる状況を噛み砕いて説明いたします!

認知症の方は、まず、睡眠障害が起きるようです。

これは、私は抑鬱と同じプロセスであると思っています。

認知症を患う高齢者の方の状況を考えると、

喪失体験が多い(友人や配偶者の喪失など)

役割(会社員や職業、父親・母親としての役割)がない

行動の自由が少なく日常の彩りが少ない

見る限り、かなりの強いストレスになるのは想像に難くないですよね…

つまり、ストレスで前頭葉や他の部分にかかる負担は大きくなります。

さらに、自由に行動できない環境で前頭葉を使う機会が減り、使わない機能は低下していく。

こうなると、なかなか夜に睡眠とることができず、熟眠も困難になります。

よって、睡眠にて脳を回復させることができません。

皆さんでいう睡眠不足の状態がずっと続いているような感じで捉えていいと思います。

そうすると、日中眠い。

ここで昼に寝てしまおうものなら、夜に寝れなくなるサイクルを加速させてしまう

昼に寝る習慣がつき、昼と夜の区別がつきにくくなる。脳もその環境に適応しようとする。

昼寝てしまうので夜中に起きていると、孤独になり、不安になる。問題行動を起こしやすくなる。

このように、見事な負のスパイラルに陥ってしまっていますね。

日中、本人にとって価値ある活動についていれば、前頭葉は賦活しますし、働いてくれます。

余暇活動に、仕事に、ADL(日常生活活動  入浴など)に、しっかり参加できているかを見るのが、非常に重要なのです。

興味関心(≒作業疎外)

生活リズムの解説の際、

「日中、本人にとって価値ある活動についていれば、前頭葉は賦活しますし、働いてくれます。

と述べました。

自分にとって大切なことに携わること、活動に従事することが大切なのはわかっていただけたかと思います。

その活動につけていない状況のことを「作業疎外」といいます。

やりたくもない運動をさせられている…

レクレーションなんて楽しくない…

やりたいことがなく、ぼーっとテレビを眺めている…

本人にとって価値のある作業を、活動を、役割を全うできているか

それを評価しないといけません。

これを評価する方法としては次のようなものがありますよ。

興味関心チェックリスト

観察

APCDという絵カードテスト

OSA-Ⅱという質問紙

ADOCというアプリ

「認知症ではない」可能性も考慮する

認知症かな?と思ったものの、上の評価では問題なかった場合、結構な確率で

「うつ」があります。

つまり、認知機能自体は問題無いんですが、

脳内の伝達物質の異常でなかなか頭が働かない

という話です。

これは高齢者を扱う以上、なくてはならないテーマなので、今後触れていきたいと思います!

まとめ

この記事では、認知症高齢者の、あるいは認知症を疑われるクライアントに対する評価や検査の方法について述べてきました。

また、「生活リズム」の中で記載した負のスパイラルを、頭の片隅に置いておくと、認知症高齢者にとってどんなものや環境が認知症を悪化させてしまうのか、イメージが湧きやすくなると思います。

認知症に対する評価や検査を知っておくことで、認知症の方への理解が進み、扱うのが難しいと思われがちな現状も改善するのではないかと思います。

ぜひ実践されてくださいね!

以上、OTだみんでした!

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