アルツハイマーだけじゃない!認知症の症状解説~レビィ小体型
こんにちは!OTだみんです。
私はあまりテレビを見ないのですが、たまたまついていたテレビ番組で
「認知症保険」
なるものを紹介していました。

なるほど、認知症保険かー!
時代とともに保険も変わるもんだなあ
と感心してしまいました。
しかし、その中でひとつ引っかかったのは、認知症者の行動例で、アルツハイマー型認知症患者の行動ばっかり取り上げられているところだったんですよね。
実際のところ、一般的には「認知症=アルツハイマー型」として扱われること、認識されていることが多いと思います。
また、一般だけでなく臨床の中でも、様々な病態、分類がある認知症の患者さんや、クライエントのことを、
「〇〇型認知症の行動特性」
という認識ではなく、
「認知症」
として雑多にまとめてしまっているのが散見される現状にあります。
そこで、今回はアルツハイマー型認知症ではないタイプの認知症として、レビィ小体型認知症について解説していきたいと思います!
では、さっそく見ていきましょう!
認知症は基本的には3タイプに分かれる
本題に入る前に、認知症のタイプについて軽く説明いたします。
まず、認知症には大きく分けて3タイプが存在しています。
- アルツハイマー型
- 前頭側頭型(pick)
- レビィ小体型
ひとくくりに認知症と言っても、上記のどのタイプかによって症状にも違いがあるのです。
では、レビィ型認知症について見ていきましょう!
レビィ小体型認知症
他の認知症と区別をつける特徴
レビィ小体型は特徴として以下のような症状が現れます。
- 幻視
- パーキンソニズム
- レム睡眠行動障害
- 日内変動
- 注意障害
- 後頭葉の血流低下
ちなみに、臨床診断基準としては、
- 幻視
- パーキンソニズム
- 注意覚醒レベルの変化
をみて、診断します。
では、レビィ小体型の臨床診断基準について、より掘り下げてみていきましょう!
幻視
幻視が見られます。

「知らない子供が遊んでいる」
「虫がわいている」
などの具体的な内容の幻視が、不均一な間隔で現れるようです。
実際私も臨床の場面で
「あそこに大きな虫がいるから行きたくない」とリハ室の壁に向かって指を刺されたことがありますが、何もおらず、聞き返すと
「今はいないけどさっきいたのよ」と話されていました。
また、病室の中でもそれが原因で部屋から出ようとして転倒された、なんていうケースもありました。
ちなみに、視覚部分の脳血流の低下なので、
「ここどこ?」といった混乱やそれに伴う危険行動(BPSD)も報告されています。
「あんたがなんでうちの夫の服をきとるん!!」と暴力を振るった例も報告されていますね。
いわゆる、視覚に関連する妄想が主のようです。
パーキンソニズム
実はレビィ小体は、パーキンソン病でも出現します。しかし、上記のような症状がでない理由として、黒質の中に限局してレビィ小体が出現するようです。
一方レビィ小体型認知症はさまざまな中枢神経の中に出現するようです。無論それは脳幹、黒質の中にも出現します。
ですので、パーキンソン病と同じ症状が出現する、ということのようです。
これによって無動・筋固縮や姿勢反射障害、歩行障害が出現してきます。
日内変動
特に、活動性が日によって変化が大きかったり、睡眠をとる時間が不規則であったりといった症状が現れます。また、認知機能に関しても波があります。
一般的にはMMSEなどのテストで点数を取れないことが多いのですが、時間帯によっては高得点を叩き出す、といった時も現れます。
ちなみに、レム睡眠行動障害も現れます。
これはすごく簡単に表現すると、
「夢遊病」
です。
寝ているのに歩いていたり、起き上がろうとしていたり、といったことですね。
普通、レム睡眠時は人は頭は起きていますが、身体運動への抑制がしっかりと効いていますので金縛りのように動けません。
しかし、その抑制がうまく効かないようになってしまい、夢遊病が起こるようです。
レビィ小体型認知症への対応
アルツハイマー型との違いは、幻視などの妄想や日によって異なることと、パーキンソン症状が出ることです。初期の頃は比較的記憶は保たれています。
ので、1日の中で、本人がどのような行動をしているか!を見るのも重要ですが、
- 日中の活動量をしっかりと増やす。日光に浴びる機会を作る
- 妄想に対し、強い否定はせず、パーソンドケアを忘れない
- 転倒させないような環境的配慮
- 暴力行動や暴言への配慮
が必要になってきますね。
まとめ
レビィ小体型認知症は最近になって認知度が高くなってきている病気です。
主な症状は
- 幻視
- パーキンソニズム
- 注意覚醒レベルの変化
です。
レビィ小体型認知症は、暴言・暴力や転倒が多い方なので、
「あ、レビィ小体型の傾向があるかも」と思った方は、日中の行動などをしっかりと把握し、環境的な対策をすることが大切です!!
認知症とひとくくりにせず、各タイプを区別して介入にあたりましょうね!
ここまで見ていただきありがとうございました。
以上、OTだみんでした!
参考書籍
認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 第3版 快一徹!脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう
精神医学 第4版 (標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野)
病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経 (Medical Disease:An Illustrated Reference)
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