信憑性の高い情報を見抜く方法【ケースノート・論文対策】 | 現状維持OTを脱す!

信憑性の高い情報を見抜く方法【ケースノート・論文対策】

信憑性の高い情報を見抜く方法 コラム

信憑性の高い情報を見抜く方法【ケースノート・論文対策】

こんにちは!OTだみんです!

学生や新人だけでなく、一人前の作業療法士になったあとでも、問われ続ける能力があると聞いたら何を思い浮かべますか?

それはずばり、エビデンスをもとにした文書を書く能力です!

学生さんはケースノートやレポート、論文などで痛感するところだと思います。

ですが、就職して職場の新人・先輩という立場になってからも、日常の業務はもとより勉強会の担当になって資料を作ったり、学会に提出する研究論文を任されたりなど、永遠に逃れられないのがこの能力です。

今回は、信憑性の高い情報をどのように調べて引用するかというお話を、そもそも情報の信憑性とはなんぞや?という基礎まで立ち返って考えていきたいと思います。

では、早速みていきましょう!

信憑性の高い情報=強いエビデンスとは

信憑性の高い情報とはなにか

よくテレビでこんな話し方を耳にしませんか?

コメンテーター
コメンテーター

「○○の専門家の話ではー」

アナウンサー
アナウンサー

「○○に精通している人の話ではー」

「特定の事柄に詳しい人」という権威を引き合いに出しているので、いかにも「正しい情報」を発信しているように聞こえます。

しかし、それらは「強いエビデンス」ではありません。

え?じゃあ、何が正しい情報なの?

となりますよね?

はっきりいいますと…

100%正しい情報なんてこの世の中では存在しません。

えー!!!

じゃあ、何も正しくないんだったら、何を信じたらいいの??

と、言われそうですね…

OTだみん
OTだみん

この記事の意味がなくなってしまう危機かと思いきや、この言葉には理由があります。

ではパニックになる前に、なぜ100%正しい情報が存在しないか、をお話ししましょうか。

まったく同じ出来事は二度と起こらない

ある日、ある時間にAという事象がおこったとしましょう。

基本的には、Aとまったく同じ状況は二度は起こりません。

例えば、出勤・通学することを考えてみましょう。

毎日、朝7時ピッタリに出発します。

  • 天気や気温は毎日同じですか?
  • 朝、出会う人は毎回同じですか?
  • 朝ごはんや夜ご飯は同じですか?
  • 睡眠時間は同じですか?
  • 体調は同じですか?

どうでしょう。

少しの違いもなく、録画のようにまったく同じ状況といえるでしょうか。

そんなの無理ですよね。

強いエビデンス、正しい情報とは、「再現性」に依存しています。

再現性とは、先ほどまでに書いた

Aという事象が再び起こる可能性

です。

びっくりですよね?

だって先ほど、「まったく同じものはない」と私が言い切ったばかりですから。

ですので、通勤・通学は毎回同じではない。でも、事象としてはどうでしょうか。

これについて考えやすくする練習問題を見てみましょう。

ある家から出発して毎朝7時15分の電車に乗る、という事象があるとしましょう。

毎日失敗せずに行けそうですか?(=再現性がありそうですか?)

この問いだけでは答えが出せないので、すこし詳しく条件をみてみましょう。

たとえば、

「健康な成人が朝7時に出発したとき、家から1㎞先にある駅の7時20分発の電車に乗れる」

という情報があるとします。

こう考えると、

「5分くらい余裕があるし、だいたい行けそうかな」

と予想が立ちますね。

そう。なんとなく行けそうですよね。

しかし、これは、人によります。

例えば、「足を骨折している人が」「85歳のご老体が」となるとどうですか?ちょっと不安ですね。

「短期記憶障害がある、認知症を抱えている高齢者」だったらどうでしょうか?

こう考えると、この問題を考える上では”どんな人”が行うのかという条件が必要になりますね。

20歳から60歳で、歩行速度が通常である、下肢に疾患のない人

だったらいいかもしれません。

信憑性の高い情報には、再現性を高めるための前提条件がある

このように、情報の中では、一般化されているものが多いのですが、

それが誰なら当てはまり、誰なら当てはまらないのか

が抜けています。

また、仮に「健康な成人」でも

「体調が悪い場合」はもしかしたら歩行速度が落ち、7時15分に間に合うことができないかもしれません。

このように、「すべての状況」の時を考慮しないといけません。

  • 例えば、風邪明けであれば、体力が落ちているかもしれません。
  • 例えば、15キロの荷物を持っているかもしれません。
  • 例えば、心臓に病気を持っていて、早く歩けないかもしれません。
  • 例えば、路面が凍っていて早く歩けないかもしれません
  • 例えば、台風の中で出勤する際、早く歩けないかもしれません。
  • 例えば、雨が降っているとき、傘の操作がおぼつかないかもしれません。

そのすべての状況を加味する必要があります。

「揚げ足をとっている!」
「そんなの不可能!」

と言われるかもしれませんが、この考え方は実はとんでもなく重要なのです。

これらの状況をちゃんと整理し、加味し、条件を設定したときに、それでも

「7時15分に間に合う」

となれば、

「通勤で7時に家を出発すれば1㎞先の7時15分発の電車に間に合う」という情報のエビデンスが強くなります。

(最初に設定した条件の下での)どんな状況でも、95%間に合うのであれば、「あぁ、正しい情報だな」と思えます。

つまり、ここから

エビデンスの強さ、情報の信憑性の強さは、

「恣意的に選んでいないどんな状況でも再現性が担保されていること」

と同じであると言えます。

OTだみん
OTだみん

普段使わない頭の部分を使う感じで、難しかったかもしれません。
ここで一旦、ティーブレーク!

信憑性の高い研究を見分ける要素

では、以上を念頭におき、医学・作業療法学やそれに近しい学問で、エビデンスが強い研究の要素をざっくりランキングしてみます。

1位.システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス

2位.1つ以上のRCT

3位.非ランダム化比較試験

4位.コホート研究

5位.症例対照研究、横断研究

6位.ケースシリーズや症例報告

7位.専門家の意見

では各要素について、補足していきましょう。

1位.システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス2位.1つ以上のRCT

最も強いのは、

システマティックレビューやRCTのメタアナリシス

となりました。

1位の説明をわかりやすくするため、まず2位の説明からしますね!

RCT:「ランダム化比較試験」

RCTとは「ランダム化比較試験」と同義であると考えてください。

この試験は、

対象者を決められた範囲から「ランダムに」選別し、2群ないしは3群を形成する。

その2群ないしは3群に同じ期間、違うことをしてもらう、もしくは提供する

そして、群の間でどのような差が出るのかを、統計で評価します。

これは、

「恣意的に選んでいないどんな状況でも再現性が担保されていること」

そのものであり、強い再現性がある、つまり、正しい情報である可能性が高いです。

さらにそれを上まわり、1位になっている「システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス」は、簡単です。

そういった研究をたくさん集めて、

「どんな状況設定している研究(RCT)のたくさんが、全部同じ結果を生んでいる」

となるから1位になるのです。

1つの研究だけではなく、たくさんの研究からいえることなので、エビデンスが強いのです。

3位.非ランダム化比較試験

「システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス」のランダム性が失われているものが3位です。

適用する群に恣意性がある、つまり、「いい結果が出るように、研究者が対象者を選んでるんじゃないの?」と文句が付くためですね。

それでも、各群を比較しているため、比較的強いエビデンスになります。

例えば、「治療している群と治療していない群に分ける」みたいな感じです。

4位.コホート研究

次の4位は、コホート研究です。

これは、ランダムにしない点で3位と共通ですが、「時間がたったらどう変化するのか」という点は追っているというものです。

3位との違いは「対象群をはじめから用意するかどうか、介入研究かどうか」です。

コホート研究は、対象を時間の経過とともにただ観察し続ける、という点です。

これが、介入方法Aが介入方法Bと比べてどう効果があるかとなると3位の非ランダム化比較試験になります。

例えば、「喫煙している人としていない人を時間の経過とともに観察し続けて、どっちががんになりやすいかを追っていく」のような感じですね。

OTだみん
OTだみん

4位までは比較的信頼できる情報/研究結果です。

5位.症例対照研究、横断研究

5位の横断研究・症例比較研究は

4位とは違って、時間を追っていきません。

「足を骨折したことがある人は、歩行速度が低下しているかどうか」みたいな研究です。

つまり、「今」しか見ていません。そして、介入研究でもありません。

現状Aとなっているものが、Bが原因?Cが原因?と探索することが5位です。

この横断研究は、設定次第では信頼できますが、一方で統計が甘かったり、条件設定が甘かったりすると一気に「信頼できるかどうか迷う研究」になります。

6位.ケースシリーズや症例報告

次の6位にくるものは「症例報告」です。

これは、数が少なすぎて、「傾向性」しか話すことができないです。

ですので、「○○という傾向がある」以上の話ができないのです。

これらはあくまで「特殊な経験」の「報告」なので、情報が正しいかどうかは二の次なのです。

つまり、「鵜呑みにしてはいけない」という話になります。

7位.専門家の意見

最後に「専門家の意見」です。

「総説」や「特集」「連載」となっていることもあります。

これは、あくまでその人の経験の話をしています。

本や研究結果を引っ張ってきている場合は上記に沿って、引用している研究のエビデンスを確認する必要がありますが、専門家の意見は「丸々鵜呑みにしてはいけない」ということが大切です。

特に、文章として何か発表するとき(ケースノートや、学会発表など)は気にしないといけません。

信憑性の高い情報をどこから持ってくるか

ここまで信頼性の高い情報(=エビデンス)の話をしてきましたが、では、どこからエビデンスを持ってきたらよいでしょうか。

OTだみんの知る限りの候補を列挙してみました。

候補は

  1. google scholar
  2. J-stage
  3. CiNii
  4. pubmed
  5. OTseeker

です。

自分で学会発表や研究をしない場合、4のpubmedと5のOTseekerは必要ないと思います。

なぜなら基本的には英語であるからです。

1~3のなかで、上記の「横断研究」までを使いましょう。

ちなみに、学会発表や研究をしていく場合、上記にあった研究のエビデンスに加えてあることを確認しておかないといけません。それは、

「Impact factor(IF)」

です。

このIFは、その論文雑誌の質と直結しています。

このIFは

雑誌に載っている論文の被引用数(論文や発表に引用された数)(÷)掲載論文数で算出されます。

これも、1年IFと5年IFと種類があります。

基本的には、

1.0以上であることをお勧めします。日本の論文雑誌では1.0を超えるものがほとんどないため、研究や学会発表に際しては4や5のサイトから、英語論文を探す必要があります。

信憑性の高い情報(=エビデンス)をどう利用するか

エビデンスは、

「筆者の名前」1)によると「○○は▽▽である」と言っているため、今回の事象も○○は▽▽であると考えることができる。

というように記載します。

自分が直面している事実、観測できている事実に対し、考察を加える、もしくは判断をする際に、「○○もこう言っているしー」という手助けをしてもらう、といった感じでしょうか。

あくまで、自分の考えを補強する目的、補助的に使うことが推奨されます。

ちなみに、ケースノートや学内発表、院内発表の場合は、論文を絶対引用・参考しないといけないわけではありません。

学校で使っていた教科書から引用・参考にしてもかまいませんし、自分が持っている参考書から引用・参考にしてもいいです。

その代わり、「引用・参考にしたことを明記すること」と「引用・参考文献を最後に乗せておくこと」が必要です。

優先順位としては、

  1. 論文
  2. 教科書
  3. 参考書
    (超えられない壁)
  4. ネットやテレビ、一般雑誌などの専門家の意見

という感じですね!

まとめ

今回は、そもそも信憑性の高い情報とはなにかというところに立ち返り、具体的にどのように信憑性の高い情報を探し、引用するかについて解説してきました!

医療という人々の健康に関わる専門職についた以上、信憑性の高い情報を扱うスキルは常に求められます。

皆さんの論文やケースノートなどの執筆の参考になれば嬉しいです!

以上、OTだみんでした!

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