【PT,OT】リハビリ職はこれさえできてれば何とかなる
こんにちは!OTだみんです。
学生時代、実習の時に原因分析としてレポートまとめたはいいけど、全然介入プログラムがわからない!というときがありました。
経験を積んだ今は、各関節への介入や、作業学、心理学や精神障害への介入を勉強すべきだったとわかりますが、実際のところそれらを全てじっくり勉強できる余裕がある人ばかりではありませんよね。
そこで、どんな介入をしていいかわからない作業療法士と理学療法士向けに、入門として取り組んでほしい介入をまとめました!
※以前、何をしてよいかわからない作業療法の実習生向けに、ADLを見る介入法をご紹介しましたが、今回の記事はそれを入職直後のOT向けに拡充したものです。
また、今回の記事は作業療法士だけではなく理学療法士の介入の基礎となる要素もたくさん含んでいますので、ぜひ新米PTの方も参考になさってくださいね!
では、さっそく見ていきましょう!
身体障害への介入は最低限これをやろう!
さて、身体障害領域の介入は以下をやりましょう!
- ADL訓練
- バランス訓練
- 筋力訓練(CKCex, MSE)
- 病棟内歩行訓練
正直脳死でこれだけやっていても、形にはなります。
本当は良くないんですが、
- 「作業療法士」という働き方をとりあえずしたい!
- 早く仕事に慣れたい!
といった際には、これをやっていればどうにかなります。
理学療法士の場合はこれに加えて、
- 疾患部位のMMT/ROM
- 歩行訓練
をやりましょう!
では、それぞれの項目について具体的にみていきましょう。
ADL訓練
これは、
- 食事動作
- トイレ動作
- 更衣動作
- 入浴動作
- 階段動作&床からの立ち上がり
- 屋外歩行訓練
と難易度が低いものから順に訓練を移行していきます。
手順としては、
- 実際にやらせる(評価)
- 時間を決めて実際に行う時間と、模擬動作訓練を行う時間をつくる
- 時期を決めて(大体1週間程度)再評価する
といった感じです。
これだけやっていても、実は文句言われないです(笑)
下半身の疾患の場合は食事動作はとばすなど、適宜アレンジが必要な場合があります。
1単位介入や2単位介入の主要プログラムとしてやってみてください。
介入する理由は、おそらく聞かれないと思うのですが、聞かれた場合
「(特定の動作)ができないから何度もやって覚えてもらう」でいいです。
バランス訓練、CKCex、MSE
さて、ADL動作の訓練を実施したけれど時間が余っているといったときや、
これ以外にも機能に対して介入したい。
そういった場合に、さらに以下を実施しましょう。
- バランス訓練
- 筋力訓練(CKCex, MSE)
バランス訓練
バランス訓練には、座位バランス訓練と立位バランス訓練、歩行バランス訓練があります。
座位バランス訓練は、座位が安定しない!!となったときに使えます。
普通に座位を保持する時間を計測し、座位を経験してもらう(いつ転倒してもいいように、真横か後ろにいてくださいね?)
慣れてきたら(大体60秒可能になれば)両腕をまっすぐ上げてもらい、そのまま30秒から1分我慢します。
この2つをやる理由として、座位が安定しないと、着替えや食事といったベッド周りの活動が自分でできないから、というもの。
ADL訓練の中で、座位バランスが低下していて、更衣動作がうまくできず、模擬訓練をしているときに組み合わせてください。
立位バランス訓練は、なんとか歩行ができるようになったが、トイレ動作が安定しないとき、入浴動作が安定しないときに導入するといいでしょう。
はじめに、何も持たずに立ってもらいます。60秒可能になったら次へ。
FRT、といってfunctional reach Testといったバランスの評価があります。その評価を何度もすることでバランス訓練になります。
また、Mann肢位というものがあります。両足のかかとと爪先をつけて平行棒から手を離し、我慢します。
最後に片足立ちです。10秒を目安に行います。
これらは、数字を毎日記録することで、今のバランス機能がどれぐらいなのか、客観的に数字で追っていくことが可能です。先輩やプリセプター、実習担当やドクターに「今どうなの?」と聞かれたときに、この数字を言っておくだけで会話になります。
歩行バランス訓練はタンデム歩行、という綱渡りのようにつま先とかかとが接するように足をはこぶ歩き方ができるように訓練する方法です。
筋力訓練
正直、ここまで記載したものを行えば、介入として形にはなります。
もし必要であれば以下のような筋力訓練も行いましょう。
- CKCex
- MSE
- kicking
筋力訓練を解説する前に、この単語を頭にいれておいてくださいね!
- CKC…(open kinetic chain)体の末端部分(足や手)を固定しない状態で運動を行う際の肢位
- OKC…(closed kinetic chain)体の末端部分(足や手)を固定した状態(床などに接触させるなど)で運動を行う際の肢位
CKCex
CKCex は、その名の通りCKCの肢位で行うエクササイズです。
平行棒といったすぐ掴まれる場所で行います。
スクワットと爪先上げ、そして、横歩き、後ろ歩きです。
スクワットは大腿四頭筋に、
爪先上げは下腿三頭筋に、
横歩きは中臀筋に、
後ろ歩きは大臀筋に、
介入します。
地面と足が接しているので、CKCという肢位で筋発揮を行う運動=CKCexと呼ばれています。
※細かい部分の正確さよりわかりやすさを優先して解説していますので、正確に知りたい方は運動学の教科書を参照ください。
MSE
リハビリの業界では、MSEという単語をOKCで実施する筋力訓練の意味で、CKCexと対置して使うことが多いです。
OKCは、足先が宙に浮いている状態で筋発揮する方法です。
MMT2の肢位、動きをやってもらい、そこに徒手的に抵抗をかける、といったものですね。
大腿四頭筋、前脛骨筋、下腿三頭筋、足指の伸展屈曲、SLR、ハムスト、中臀筋、大臀筋
臀筋2つは、背臥位でやる方法と側臥位、伏臥位でやる方法がありますが、どれをやったらいいか迷うときには、その人にとって疼痛が少ない臥位を選びましょう。
kicking
最後に、kickingというものもご紹介します。
これはセラピストの手を患者の足底にもっていき、蹴ってもらうというものです。
kickingは、CKCとOKCの両方の要素をあわせ持つ肢位で、荷重、つまり重力を体にしみ込ませ、下半身だけ擬似的に立っている、地面を蹴るような感覚を入力します。
MSEとCKCexの使い分けは?
車椅子生活をしている人や、疼痛が強い人はMSE
それ以外はCKCex
と覚えてください。
使い分けはそれでいいです。
まとめ
今回は、リハビリ職の介入として、これさえ実施できれば周囲に文句をいわせない!という介入内容をご紹介しました。
この記事でご紹介したやり方を組み合わせすれば、3単位分は稼げると思います。
ただ、リハビリの奥深さは、クライアント一人ひとりに対し、決まりきった手順によらないオーダーメイドの介入ができるところにあります。
ご紹介した内容ももちろんそれを実現するための手段ではありますが、あくまで困ったときの裏技として利用してくださいね!
ここまで見ていただきありがとうございました!
以上、OTだみんでした。
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