【新人前教育①】今のまま作業療法士になっても大丈夫?~学校と現場のギャップを知ろう~
こんにちは!OTだみんです。
作業療法士として入職する前の学生のみなさんに伝えたいことを書き連ねていくこのシリーズ。
記念すべき第1回は「今のまま作業療法士になっても大丈夫?~学校と現場のギャップを知ろう~」というテーマで書いていこうと思います。
学生の間に学ぶリハビリと、現場に出てからの実践には大きなギャップがあります。
学生さんの多くは、この記事を読んだら「危機感」を抱かれるかもしれません。
そんな現場の作業療法士の実態について、さっそく見ていきましょう!
プロとしてリハビリを提供する責任は新人も同じ
新人初日からプロとして動くことを求められる
今後、皆さんは、お金をもらいながら患者さんにリハビリを提供していくことになります。
人によっては、新人となって初日からいきなり患者さんを持たされることになる方もいます。
この話を聞いて
「え?やばいな…」
と思わなかったら
あなたはまずいかもしれません…
即時効果と、長期ビジョンをもった介入を初日から行わないといけないのです。
できますか??
はい、ここでちょっとやばいかも…と思っていただければ、安心です。
「いや、俺なら大丈夫。」
と自信があったり
「なんとかなるでしょう」
と楽天的であったりする方は…
1年目、地獄を見る可能性が高いです
残念ながら、脅かしているわけではないのです…
次はその理由について、お伝えします。
「実習で高い点数を取っていた」は役に立たない!?
作業療法士の1年目でいちばん大変なところ、それは、
学校で学んだ知識がそのまま役に立つことが少ないところです。
大変残念なお知らせなのですが…
学校の知識、実習の知識、国試の知識、
全て
あまり現場では使い物になりません。(誠に遺憾です)
これと対照的なのは理学療法士さんだと思います。
今まで勉強してきた知識が業務でそのまま使いやすいです。
ですので1年目でも、学校での勉強や、実習でした苦労と流した汗は無駄にならない可能性が高いです!
良かったですね!(涙)
しかし、作業療法士の皆さんは違います。

えええええ!!!
と思われたと思います。
それもそのはず。私も当時えーっとなりました(笑)
では、なぜ学校で学んだ知識が現場で活かせないものになってしまっているのでしょうか?
作業療法を行うためのツールを身に着けよう!
現行の学校教育では、作業療法を行うためのツールを教えていないのが実情です。
本来、作業療法士が使えないといけない、
作業モデル
という考え方を現教育ではほとんど教えません。
人間作業モデルも
作業科学も
生活行為向上マネジメントも
ADOCも
課題志向型アプローチも
さらに言うと
「作業」とはなにか?
についても教えていません。
教えられていないから使えない、これはある意味当然のなりゆきですね。
作業療法士なのに作業を使うことができない。
こんな方は、残念ながら現場にざらにいます。
作業を使えない作業療法士の介入は、厳しい言い方をすれば「エセ作業療法」です。
実際に現場でよく見るエセ作業療法としては、以下のようなものがあります。
- 先輩に教わったやり方を根拠なく継承する
- 作業に着目した評価や介入をしない・できない
- 作業療法士なのにできることは理学療法士のやっていることの劣化版でしかない
しかしながら臨床ではエセ作業療法を提供するのが一般的になってしまっている現状です。
ましてやそれを国が追認しています。
そのような現状で、あくまであなたが資格職としてなんとなく職場に溶け込め、やっていければいい、と考えているならば、現場のやり方を根拠なく真似するだけの「エセ作業療法士」でも暮らしていける現場もあると思います。
でも、少しでも
- 理学療法士の劣化版であるのはいやだ
- 慣習やおまじないでなく、学問的に根拠がある介入をしたい
- 作業療法士という国家資格にふさわしい専門性を身に着けたい
という気持ちがあるのであれば、自分で作業療法の勉強をしないといけません。
※以下の記事では、作業療法士が、本来の作業療法をできるように学習するメリットについて述べています。興味のある方はぜひご一読くださいね。
また、「作業」とはなにか?については以下の記事に記載しました。作業をツールとして使う作業療法士という職業が、本来どういうものなのか理解したい方はぜひご一読ください。
このサイトでは
本来の作業療法を提供するために必要な知識も記載していきます。
是非参考にしてみてくださいね!
まとめ
病院に入職して1年目は、私が精神的に追い込まれ、
あぁ、実習よりきついじゃないか
と感じた1年でした。
それは、担当の先輩作業療法士に、「本来の作業療法とはなにか」について、みっちりしごかれて教育されたからです。
現場にも、本来の作業療法を実践しようと研鑽を積んでらっしゃる先輩はいるので、エセ作業療法士として居続けることが許されない場合もあるかもしれません。
ですので、皆さん本来の作業療法の要点だけでも抑えておくことをお勧めしますよ!
引き続き、新人としてよいデビューをできるよう頑張りましょう!
以上、OTだみんでした!
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