【新人前教育②】「本来の」作業療法士の仕事を学ぼう!
こんにちは!OTだみんです。
作業療法士として入職する前の学生のみなさんに伝えたいことを書き連ねていくこのシリーズ。
前回の第1回では、作業療法士の資格を得たのに、作業や作業療法について勉強してきていないことの危うさをお伝えしました。
続く今回は、「本来の」作業療法士の仕事とは何かについて、お話ししていきたいと思います。
ではさっそく、作業療法士の仕事や、求められる役割について見ていきましょう!
「本来の」作業療法士の仕事とは?
一般的な現場の作業療法イメージ
「本来の」作業療法士の仕事を語るにあたって、まずは現状、誤解や理解の不足が起こっている作業療法士の仕事について、一般的なイメージをお伝えしていこうと思います。
作業療法士が現場で扱う対象は以下のように見なされていることが多いです。
- ADL
- 上肢
- 精神
これらは、決して間違いではありませんが、あくまで作業療法士の職域の一部を構成するものにすぎません。
いわば一般的な作業療法士の職域のイメージは、「木を見て森を見ず」の状態にあるのです。
そもそも、ADLや上肢はPTでも見られますよね。
高次脳機能や精神の欲動はSTでも見られますよね。
では、OTはOTとして何を見るのでしょうか?

ADL、上肢、精神分野が他の職種に取られたら、商売あがったり!?
作業療法士は「作業」を使いこなす人生のコンサルタント
OTはOTとして何を見るか、それこそが作業療法士を作業療法士たらしめる本質にあたります。
作業療法士は、医学的な評価をすると同時にクライアントの「作業」を見ます。
そしてクライアントのhealth and well-being(健康と幸福)を達成するため、「作業」を用いてクライアントの人生をより良い方向に導いていくことが仕事です。
人生の問題(けがや病気、幸福でない状態)を、「作業」という道具をあやつり解決に導くコンサルタントが作業療法士なのです。
作業療法士の職域 =
クライアントの「作業」を評価する × 「作業」を使ってクライアントに介入する
→ クライアントの「健康」や「幸福」を達成する
ここまで、「作業」というワードをすごい密度で使用してきました(笑)
しかし、一般的な「作業」という単語と、作業療法士が用いる「作業」という用語ではすこし意味合いが異なります。
かいつまむと、作業療法での「作業」とは「全ての経験」にあたります。
※作業療法士にとっての「作業」については、以下の記事で解説をしています。合わせて読んでいただくとより深い理解につながると思いますので、ぜひご一読くださいね!
作業療法士として不可欠な要素
作業療法士は、「作業」を使い、人々が健康や幸福を実現する手助けをするのが仕事だと述べてきました。
そして、「作業」が「全ての経験」であるということは、クライアントへの介入方法を考えるうえで、本人の価値観を知ることはなくてはならないことだということです。
- クライアントがどんなことに価値をもっていて
- どんな生活を送りたいと思っていて
- それを叶えるためにはどうしたらよいのか
作業療法士がクライアントの価値観を知ることによって初めて、介入方法の選択や、評価の選択が行えるのです。
だからこそ、作業面接というのは作業療法を行う上で避けては通れないと言えます。
※作業面接については、以下の記事で詳しく記載しました。作業面接を実施する目的や具体的な手順について書いていますのでぜひ参考にされてくださいね!
まとめ
この記事では、あまり認識されていない「本来の作業療法士の仕事」とは?というテーマで、本来の作業療法で達成するゴールとそれを実現するための手段について述べてきました。
本格的に現場で働き始める前だからこそ、新人さんに頭の片隅に置いておいていただきたいことを書いてきました。
最低限、作業療法士が認識していなければならないことは、”Health & Well-being”、つねにクライアントの健康と幸福がゴールだということです。
これを意識できさえすれば、どんな介入も作業療法と言えますよ!
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
職場でのスムーズな作業療法人生のスタートのため、少しずつ、よりよい作業療法について考えていきましょう。
以上、OTだみんでした!
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