これだけおさえれば作業療法士として合格!作業機能障害
こんにちは!OTだみんです。
作業療法士のみなさんの苦悩の一つに

俺ってちゃんと作業療法士だっけ?
という点があると思います。
やっていることが、PTに似ている、心理士に似ている、看護師に似ている、などなど苦悩されていることでしょう。
そう、つまりは
そもそも「作業療法」ってなんだっけ?
という問いに行き着きますよね。
これについてしっかり勉強したい!という人は、以下の京極先生の本を参考にされることをおすすめします。
このブログの記事でも、「作業療法とはなにか」について以下の記事でくわしく書いています。
しかしながら、記事だけでもかなりの分量ありますし、作業療法の歴史を一通り追うのも、とても大変です。
ざっくりなら知りたいけれど、正直、それほど労力をかけられない!という人向けの記事ってないなー、と思いまして、結論を端的にまとめる記事をつくりました。
そういった忙しい方向けにさっさと結論を述べてしまいますと、
「作業療法士は作業機能障害について根底に考えていれば、すべての介入には意義があり、正解である」
ということです。
ちょっとピンとこない方も多いと思いますので、詳しく解説しますね!
作業の定義と作業機能障害
作業は「手作業」ではありません。作業=経験です。
その経験は、思考と感情と行為に分解できます。
つまり、作業に介入するということは、思考や感情、行為に介入するということです。
これは前提知識です。
このどれかに介入していない場合は、ちょっと介入について考え直した方がいいです。
そして、作業機能障害とは、
作業の機能(思考、感情、行為を機能させる機会)がなんらかの障害を受けている、ということです。
作業機能障害には
- 作業不均衡 生活のバランスが崩れている
- 作業疎外 意味がないと思っている経験ばかりしている
- 作業剥奪 やりたい経験のための道具や能力がない
- 作業終焉化 人のせいで経験ができない
があります。
つまり、作業に対する介入、で具体的にやるべきことは、
1.その人の長期目標
2.その人の今の状況
の2つの時間軸(現在、未来)を作業機能障害的に分析し、どこに問題があり、どこに対して介入しているかをみることです。
作業よりも能力ばかりに注目していませんか?
作業療法士が行うところの作業に対する介入ですが、教育等でこの本質をあまり伝えきれていない様子です。
よく間違えられていることに、
「能力」は、あくまで作業ができない理由の一つであって、
作業療法士は能力を上げるために介入しているわけではない
という点があります。
ですので、カルテに
「〇〇能力があがった」と書いている場合が見られますが、
例:
- ADL能力が上昇した。
- 歩行速度が上がった。
- ROMが上昇した。
と記述するのは実は正しくありません。
「能力」が上昇することで「作業」がどう変わったのか
が必要です。
つまり、
例:
- 歩行速度が上がった。本人は「これでようやく外出できそう」と自己効力感を高めていることがわかる。
- 肩関節屈曲、外転角度が〇〇だけ向上した。本人は「いや、まだもう少し肩が上がらないとうちの竿に洗濯物をかけられそうにない」と悲しそうに言った。これ以上の改善の余地がみられにくいため、本人と家の環境を変えることについて、相談する必要性を感じた。
と言った感じです。
結果、本人の「思考」「感情」がどのように変化したかをみておくこと、「行為」についてどのように感じているか、を評価•記載することがすごく大切です。
また、ROMなどの角度が上がったことで「行為」にどのように影響したか、という視点も最低限必要です。(これは臨床家は基本的にできている人が多い印象ですね)

ちなみに、例として挙げた上のカルテの書き方はあまり、現場では推奨されません。
考え方の一例として頭に入れておきつつ、実際にカルテを書く際には、SOAPの書き方で書いてくださいね。
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