【実習攻略】要点を抑えるカルテの書き方!~SOAP編~
こんにちは!OTだみんです。
実習に入ると、カルテを読む機会が出てくると思います。
また、場合によっては長期実習で、自分でカルテを「SOAP」という形式で書く必要があります。
学校では少ししか触れてないSOAP、なじみのない状態で実際に書け!と言われても困ってしまいますよね。

私も実習でSOAPでカルテを書きました。
しかし今考えると、ちゃんとSOAPで書けていなかったなあ…と思います(笑)
今回は、実習に入って初めてカルテを書く学生さんにむけて、作業療法士がSOAP形式でカルテを書くときの注意を、具体例を踏まえて解説していきますね!
SOAPの構成
SOAPとは、医療看護分野で使われるカルテの記載の形式です。
記載する内容の頭文字を取って、SOAP(ソープ)と呼ばれます。
- S(subjective)ー患者の主観
- O(objective)ー客観的事項
- A(assessment)ーアセスメント・評価よりの考察
- P(plan)ープラン・今後の介入
では、それぞれの項目について、具体的に見ていきましょう!
S(subjective)ー患者の主観
ここではクライアントの主観を書きます。
主観とは、クライアント自身が感じるものです。
ではどの部分からみるのでしょうか。
観察からみられるものは、ここには記載しません。
なぜなら、あなたが見ているものは第三者目線の事実なので、「本人がどのように思ったか」、ということとは乖離しているからです。
ですので、基本的にSには「クライアントの言葉」を書くことが多いです。
具体例を見てみましょう。

フラフラなんてしてませんよ~

「フラフラなんてしてませんよ」と言いながら、フラフラ歩いている。
中臀筋がしっかりしていないのだろうか?
ここでの主観は「フラフラしてませんよ」という本人の発言です。
フラフラ歩いていることはあなたが観察した客観的事実です。
その後の中臀筋が弱いのかもしれない、というものはあなたの観察(客観的事実)から導いた評価になります。
つまり、S)にかくとしたら
S)フラフラしていませんよ
となります。
O(objective)ー客観的事項
続いてはOの客観的事実についてです。
ここでは、
- セラピストが観察した客観的事実
- 定型評価(評価ツールなど)の結果
を記載していきます。
観察で得た客観的な事実は、先程の例であれば
O)フラフラ歩いている
ということですね。
例えばそれがトレンデレンブルグ様の歩行であれば
O)トレンデレンブルグ様歩行にて、ふらつきあり
となります。
定型の評価を行なっていた場合も、評価ツールにより出た結果、つまり客観的事実ですのでOに記載していきます。
例えばROMやMMTなどの評価を行なっていた場合、
O)
MMT 右側
中臀筋 3 (Gmed 3)
ROM 右側
股関節外転 45度
の様に記載します。
紛らわしいかもしれませんが、例えば本人の主観的な事項を評価するCOPMや興味関心チェックリストといったツールの結果なども、評価の結果であるため、Oに記載していきます。
O)
COPM
料理 重要度 10 遂行度 3 満足度 1
A(assessment)ーアセスメント・評価よりの考察
ここにはOで書いたこととSのことを元に、どのようなことが言えるか、考察されるかということを書きます。
S)フラフラしていませんよ
O)
独歩にて歩行訓練実施。トレンデレンブルグ様歩行にて、ふらつきあり。自制内にて50m可。
MMT 右側
中臀筋 3 (Gmed 3)
ROM 右側
股関節外転 45度
このSとOがあればどのように思いますか?
私なら、

・中臀筋の筋力低下に伴いふらつきが出現しているのかな?
・本人の意識と動作が乖離しているな。自己管理できない人なのかな?
と思います。
仮に以前MMTやROMを取っていて、変化があった場合、介入したけど変化がなかった場合もここに記載します。
たとえば、手術によって疼痛が出現しており、股関節外転が45度可能も疼痛が強かった、筋力はMMT2レベルであり、5m程度しか独歩できていないとしたら
・疼痛が消え、筋力は伸びているけど、独歩できるだけの能力はないか。中臀筋以外のところも問題なのではないか?
とみることができます。上記のことを踏まえて記載すると
A)疼痛消失、中臀筋筋力向上も歩容崩れあり。体幹や臀筋の筋力再評価必要
本人の主観と動作に乖離あり、自己管理能力に疑問あり
となります。
P(plan)ープラン・今後の介入
最後にP、介入方法、プランについてです。
これはAより介入方法や評価を変えないといけない場合、変えなくていい場合などをここに記載します。
S)フラフラしていませんよ
O)
独歩にて歩行訓練実施。トレンデレンブルグ様歩行にて、ふらつきあり。自制内にて50m可。
MMT 右側
中臀筋 3 (Gmed 3)
ROM 右側
股関節外転 45度
A)疼痛消失、中臀筋筋力向上も歩容崩れあり。体幹や臀筋の筋力再評価必要
本人の主観と動作に乖離あり、自己管理能力に疑問あり
であったとしたら、
Aに書いている通り、体幹筋や臀筋の筋力を再度評価必要であることがわかります。
また、自己管理能力の低下が示唆されているため、その部分の評価が必要であるとわかります。
認知機能検査でスクリーニングをかけると良い、HDSーRを取ってみよう、と思えば
P)体幹・臀筋筋力評価、HDSーR
となります。
SOAPの記載例(完成形)
完成形は以下になります!
S)フラフラしていませんよ
O)
独歩にて歩行訓練実施。トレンデレンブルグ様歩行にて、ふらつきあり。自制内にて50m可。
MMT 右側
中臀筋 3 (Gmed 3)
ROM 右側
股関節外転 45度
A)疼痛消失、中臀筋筋力向上も歩容崩れあり。体幹や臀筋の筋力再評価必要
本人の主観と動作に乖離あり、自己管理能力に疑問あり
P)体幹・臀筋筋力評価、HDSーR
実際にカルテに記載していくのはこの部分になってきます。
さらにSOAPの学びを深める
もっと他職種に伝わる記載をしたい!
観察評価や本人の健康感のことを書いていきたい!
作業機能障害のことも書きたい!
という作業療法士の方もいらっしゃると思います。
そこで、私が今勉強中の本を紹介します。
作業機能障害や信念対立解明アプローチについての専門家の先生が書かれた良書です。
是非参考にしてくださいね!
まとめ
今回は、実習でSOAPを記載する時にどう記載していけばよいかについて、作業療法士が書く場合の具体例を交えながら解説してまいりました。
主観と客観をわけた書き方や、評価ツールの結果の記載位置など、慣れるまで戸惑う部分もあるかもしれません。
ご紹介した具体例を参考にしながら繰り返して、記載の仕方を癖のように定着させてくださいね!
リハビリ学生の皆さま、実習、頑張ってください!
ここまで見ていただきありがとうございました。
以上、OTだみんでした!
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